越境ECの商品動画の作り方:企画から多言語字幕まで
越境ECをやっている人からよく聞かれるのが「商品動画はどう撮ればいいのか」。国内で通用した「出演者が喋ってセールストークを重ねる」形式は、海外ではほぼ通用しません。視聴者の反応が違う上に、プラットフォームの推薦ロジックも別物だからです。
さらに厄介なのが言語です。1本の動画がカバーできるのは1つの市場だけで、10言語版を作るコストは到底払えない。この記事は「多言語での再利用」を最初から設計に組み込む方法の話です。
企画:この動画は誰に見られるのか
商品動画はブランドフィルムではありません。視聴者は「これは自分の問題を解決してくれるか」という一点だけを頭に置いてクリックします。だから構成は購買決定の順に並べます。何であるか(形と用途)、どう使うか(実場面でのデモ)、他と何が違うか(本当に差になる1〜2点)、最後に作りの細部(素材・接口・付属品)。
1本で伝えるのは1つのことだけ。1分に全部のセールスポイントを詰め込んでも、視聴者は大抵何も覚えません。
撮影:喋らせず、見せる
国内チームが最もつまずくのがここです。国内の動画はナレーションで情報を運ぶ習慣がありますが、海外の視聴者の多くは音声オフのままスワイプしてきます。情報を音声に頼り切ると、ミュートの視聴者には「カメラに向かって手振りしている人」が映っているだけです。
正しいのは、画に情報を担わせることです。デモ動作は完結させ、開ける・取り付ける・比較するの each に2〜3秒を確保。重要ステップは寄りで撮る。ナレーションはあくまで補助で、説明が必要な箇所は画の中のテキストで示します。
こう撮った素材は自然と多言語に優しくなります。翻訳が残るのは字幕とテキストだけです。
編集:クリーンなマスターを残す
ワークフロー全体で最も重要で、最も省略されがちなステップです。マスターとは、画・効果音・音楽が揃っていて、テキストを一切含まない版本のこと。字幕もタグも価格情報も入れず、書き出し段階で重ねます。こうすれば後で何言語版を作っても、編集ソフトに戻る必要がありません。
字幕ローカライズ:1セットの素材を多言語で
マスターがあれば、多言語版は穴埋め問題になります。SmileSub のようなオンラインツールにマスターをアップロードすれば、音声認識・翻訳・バイリンガル字幕の焼き込みまで自動で行われ、中国語・英語・日本語・韓国語を含む20言語に対応しています。
字幕の長さは言語で大きく変わります。中国語で10字のセリフが、日本語では画面幅いっぱいになることもあります。編集の時点で画面下に15%程度の字幕スペースを確保し、全編で統一しておくのがおすすめです。
字幕ファイルだけが必要なら、無料の SRT翻訳ツール でSRTを直接翻訳できるほか、バイリンガルSRT生成ツール で原文+訳文のファイルも作れます。どちらもログイン不要で、制限は1ファイル1MB・500字幕まで、各ツール各IPで1日3回です。
配信:1つのマスター、複数のプラットフォーム
マスター+言語別の字幕で、次の場所にそのまま出せます。
| 場所 | 推奨形式 |
|---|---|
| 自社サイトの商品ページ | ハード字幕、埋め込み再生 |
| モールの出品ページ | ハード字幕、プラットフォームのセーフエリアに従う |
| YouTube | ハード字幕+CCトラック |
| TikTok / Reels | ハード字幕、下部マージン多め |
| 広告配信 | ハード字幕、最初の3秒に情報 |
同じ素材で、字幕を替えるだけで別の市場をカバーできます。
よくある質問
ナレーションなし、画と字幕だけで成立しますか?
デモ系の商品なら十分に成立しますし、むしろ翻訳と収録の工程が減ってコストが下がります。信頼が重要な商品(サプリ、金融系)は引き続き出演者が映る方が良いでしょう。
1セットの素材で最大いくつの言語版を作れますか?
SmileSubは中国語・英語・日本語・韓国語を含む20言語に対応しており、英語・日本語・韓国語・ドイツ語・スペイン語市場は同じマスターを共有できます。まずは売上比率の高い1〜2市場から始めるのがおすすめです。
バイリンガル字幕は野暮ったく見えませんか?
ローカル向けのサイトなら単語がすっきりします。越境ブランドなら逆で、バイリンガルは「海外から来たブランドで、あなたの言語に合わせてくれる」というシグナルになります。
字幕翻訳で最も起きやすい問題は?
長さです。中国語は短く、訳文は長い。これがレイアウト崩れの最大の原因です。翻訳後は必ず完成動画を通しで見て、画面からはみ出したり商品を覆っていないか確認してください。
