海外配信の動画字幕:セーフエリア・表示時間・多言語版
同じ素材を海外の複数の配信面で使い回すとき、字幕はたいてい最初に犠牲になる部分です。配信面ごとに画面比率・セーフエリア・字幕の扱いが違い、撮影時に余白を残さなければ、後工程では強引な切り詰め・圧縮になり、情報もこぼれます。セーフエリア・1行あたりの表示時間・多言語版という三つの糸口で、素材の撮り方と余白の残し方を整理します。
セーフエリア:切り取りとUIの余地を残す
配信素材は版面ごとに切り取られたり(正方形・縦・横の互換)、プラットフォームのUI要素を重ねられたりします。定石は、重要な内容と字幕を画面中央のセーフエリアに収め、四方に余白を取ること。被写体と字幕を縁に付けず、切り取りや圧迫を避ける。字幕は中央やや下、ただし底に付けず、行動ボタン領域を避ける。版面ごとに切り取り比率が違うので、保守的に見て予想より多めに残す。前工程の余白が後工程の裁量になる——これが最も費用対効果の高い先行投資です。
自己点検:完成映像を各配信面のサイズで切り取ってみて、字幕と被写体がまだ画面内にいるか確認します。撮る時に被写体を中央に置き四方に余白を残すほうが、後工程での救出よりはるかに楽です。
1行あたりの表示時間:読了速度に合わせる
表示時間は字数と一致させないと、視聴者は読みきれません。当サイトの規格チェックの基準:
- 中国語:一行18字以内、読了速度は毎秒9字以内
- ラテン文字:一行42字以内・最大2行、読了速度は毎秒20字以内
- 1つの字幕の表示は1〜7秒
広告素材はテンポが速いので、行は短めに、表示は下限寄りに。長文は一行を縮めるより二行に分けるほうが情報が伝わります。言語ごとに書いたときの長さが違うので、同じ画面はより長い版を収められる必要があり、レイアウト時は幅の広い言語で場所を取ります。
完成前に 規格チェックツール で超長・超速の行を洗い出し、タイムコード全体のずれは タイムコード補正ツール で一括移動します。
多言語版:一つのマスターから多版
同じコピーを複数の言語市場に投げるなら、正しい順序はまずきれいな字幕マスターを作り、その後に翻訳・出片です。SRT翻訳ツール で元字幕を目標言語に翻訳(中国語・英語・日本語・韓国語など20言語対応)。言語ごとに焼き込み版を出すか、字幕ファイルを各プラットフォームに渡すか。焼き込み版は転送やミュート再生用、字幕ファイル版は検索可能なホスティング用です。
海外向け字幕の全工程は 動画海外展開のローカライズチェックリスト を、コスト見積もりは 動画字幕翻訳のコスト を参照してください。
撮る段階で余白を決めておく
多くの後工程問題は撮影時の「画面が満杯」に遡ります。字幕の置き場がなく、被写体が縁に寄って切り取られる。構図では被写体を中央に置き四方にセーフ余白を。ナレーションには間を残し、後の行分割とバイリンガル組版に備える。投げる版面の比率を先に決めてから、横撮りか縦撮りかを決める。
SmileSubは映像か音声のアップロードから音声を自動認識して字幕を生成し、多言語へ翻訳して焼き込み版まで作れます。ツール集 が認識から書き出しまでの経路をカバーします。
字幕が切り取られる典型的な場面
三つの場面が最もよくあります。正方形版面が縦画面の左右を切り取る——縁に寄った字幕は切られ、中央に収めたものだけが残る。横縦互換——同じ素材が比率を変えると字幕位置が全部ずれ、撮影時の余白がこれに耐える。多言語版はより幅が広い——幅の広い言語で場所を取れば、狭い言語は窮屈にならない。
いずれも後工程で完全に取り戻せるものではありません。発生源での余白のほうが安く上がります。
パラメータの素早い設定
投げる版面を列挙し、面ごとにセーフ余白と画面比率を決める——同じパラメータを使い回さない。まず画面高さの1/26で一版試し、各配信面のサイズで切り取って画面内に留まるか確認。多言語マスターを組んだあとは、言語ごとにテキストだけ替え、タイムコードには触れない。
よくある質問
広告素材の字幕にはどれだけのセーフエリアが要りますか?
統一数値はなく、配信面ごとの切り取り比率次第です。定石は被写体と字幕を中央に収め四方に余白、保守的に多めに。各版面サイズで実際に切り取って確認するのが最も確実です。
一つの字幕は何秒表示しますか?
1行1〜7秒で、字数と連動します。中国語は毎秒9字・一行18字以内、ラテン文字は毎秒20字・一行42字以内。広告はテンポが速いので短め寄りです。
多言語版を効率よく作るには?
きれいな字幕マスターを一つ作り、SRT翻訳ツール で言語ごとに翻訳してから、焼き込み版か字幕ファイルを出します。言語ごとにタイムコードをゼロから作り直すのは避けること。
